INTERVIEW
OPENING OF ARBOR, A NEW FACILITY EXPLORING THE APPEAL OF WOOD
中田泰平
クレアプランニング 代表取締役社長
木の魅力を探求する新施設「ARBOR(アーバー)」オープン
商業施設、店舗の企画、デザイン、設計、施工、木工什器製造をワンストップで手がけるクレアプランニング株式会社(福岡市中央区)は、同社のルーツであり、現在も木工工場を有する木工のまち「福岡県大川市」で、木の魅力を探求する私設公園併設の新施設「ARBOR(アーバー)」を2022年9月3日にオープンした。中田泰平社長は、「弊社の空間プロデュースは進化のフェーズを迎えていて、施設や建物の意義や提供できる価値を深掘りして、それを発信するためのデザインや仕掛けを提案していきたい。まずは自社開発でモデルケースをつくりたい」と話す。
TAIHEI NAKATA
中田泰平(なかた・たいへい)
1975年生まれ。岡山理科大学を卒業後、楽器店勤務を経てクレアプランニング㈱に入社。2011年6月に同社取締役社長に就任。2代目社長として同社を牽引するほか、地元・博多を盛り上げる活動など社外でも精力的に活躍している。趣味は音楽、アウトドア、各種スポーツ。
「弊社がプロデュースする空間、特に店舗の役割はそこで利益を出すためだけの場所ではなくなっています。企業がそこに店舗を出すことがブランディングも含めて、どういう価値があるのかという意義をしっかりと形成し、言語化したうえで提案しなければならない時代になっていると思います」
こう話すのは空間プロデュース事業に加え、「施設」のイメージを一新させる画期的な自社開発物件で注目を集めるクレアプランニングの中田泰平社長だ。同社は、福岡都心部を代表する商業施設「JR博多シティ」で多くの店舗内装を手がけたことで、店舗内装のスペシャリストとして評価され、行政や企業のさまざまな施設のプランニングの支援など、空間プロデュースを通じて、まちの活性化に資するクリエイティブを提案してきた。
近年では、全国有数の水景公園であり、福岡市民の憩いの場「大濠公園」で、福岡の特産品である八女茶を中心に日本文化に触れることをコンセプトにした「大濠テラス」を、官民連携による公募設置管理制度(Park-PFI)を用いた活性化事業として2020年9月に開業。福岡の魅力に触れられる新たな観光名所を誕生させている。
「何を発信し、どのような価値を提供できるのか。これまでと見るアングルが変わり、弊社の空間プロデュースは進化のフェーズを迎えています。しかし、世の中の情勢の変化が早すぎて、チャレンジしながらでなければ適切な解を出すことができないのも事実で、お客さまに提案するには、自社開発でモデルケースをつくった方が早いと考えました。それが『大濠テラス』であり、この度オープンした『ARBOR』です」
同社のルーツであり、現在も木工工場を有する木工のまち「福岡県大川市」で、2022年9月3日に新しくオープンした「ARBOR」。同施設では、誰もが気軽に立ち寄れる公園的な機能を持った広場を併設し、本館にはテナントとして、福岡のアウトドアショップ「CROSSORANGE」の新ブランドショップが入居し、オリジナル商品開発やガレージブランド商品の展開を行う。さらに、施設内にて定期的にさまざまなクリエーターや企業とコラボしたイベント等も開催予定だ。
「つくる人をつくる森。」をコンセプトに、木工のまちとして発展してきた「大川市」で、もう一度、木の魅力を探求し、木の魅力を磨き続け、違う視点でさまざまなクリエイティブが生まれていき、地元・大川をはじめ「ARBOR」の価値観に共鳴する人々のコミュニティをつくることを目指しているという。
「木はテーブルにもなるし、棚にもなる良い材料であり、使い方は十人十色で、その人次第。その自由度とクリエイティビティを掛け合わせることで、木というものが、『材料以上家具未満』だと思ってもらえるように、木の魅力を伝えたい。そしてもう一つ発信していきたいことが、工場はつくる機能だけではなく、観光地になってもいいということです」
同施設はもともと同社の工場(大川テクニカルセンター)に併設されたショールームで、コロナ禍の前には年間1万5000人が来場していた。「せっかくお客さまに来てもらうのなら、大川の魅力を知ってもらい、まちの営業マンになってほしい」。共感され発信される施設、つまり、「施設のメディア化」のためのデザインや仕掛けを意識しているという。
「共感の連鎖が生まれれば、大川にとって間違いなく良い影響があると思います。ミッションはつくる人を増やすこと。それは社員もパートナーも同じで、つくる人が増えれば興味を持ってもらえます。また、人が集まる工場なら、そこで働く人の空気感が変わってきます」
会社として成長や進化のためにやらなければいけないこと、そして、世の中のために、地域のために何をすればいいのか、ということをどのように重ね合わせて具現化するか。それが、クレアプランニングの進化における挑戦であり、提案だ。
「施設ができたから終わりではなく、できた後が大事で、ここはいろいろな人たちと関係性を持ちながらチャレンジしていく場所にしていきたい。そうなればまちの空気感も変わると思います」
木工の街「大川」に、木の魅力を通して新しいクリエイティブを生み出し、人と人、街と想いをつなぐことを目的とした新施設「ARBOR(アーバー)」。
所在地:〒831-0026福岡県大川市大字三丸1231-2
アクセス:九州自動車道八女インターより車で約25分
TEL:0944-87-2664(大川テクニカルセンター)
福岡市中央区天神4-7-11クレアビル
TEL092-724-1115 FAX092-724-1117
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